2022-12-15

あんしん先生blog22「コロナ第八波」

ご無沙汰しております。
あんしん先生です。私自身は基本的に大学病院勤務しており、このコロナ禍の影響もあり、なかなかblogを更新できず、申し訳ありませんでした。気長に再開していきたいと思いますのでお付き合いのほどよろしくお願い致します。

さて、4月から私の弟がふじたあんしんクリニックを開業して8ヶ月が過ぎました。少子高齢化の波もあり、たくさんの患者様に関わらせて頂き、あっという間に月日が経ちました。私も週に 1回ほどお手伝いさせていただいています。日々、訪問診療をして改めてやりがいを感じています。高齢化により、老老介護や自身で生活することが難しくなり、介護や在宅医療を導入する方が増えてきている印象を受けます。都心部においては専門の先生はたくさんいますが、広い視野で一つ一つの臓器に限らずに患者1人1人にあった医療を行うという視点が欠如していることが少なくありません。訪問診療は広い視点から患者のニーズにあった医療を提供する必要があり、総合的に判断することが求められます。都市部だからこそ、求められる点があると感じます。これからも横浜市を中心として患者様により満足のいく医療をご提供できるように駆け巡りたいと思います。

さて、コロナ第八波ですが、感染者が急激に増加しています。私が勤務する大学病院でも入院患者に陽性者が相次いで出て、病棟閉鎖など新規の入院患者が受け入れられず、救急外来自体もストップする事態に陥っています。本来の医療の現場とはかけ離れた由々しき事態です。日々コロナ患者を診療していて、今回のオミクロン株は昨年の夏頃の第五波と比較すると重症化する率が減っている印象を受けます。以前では重症化すると思われるような人が今回の感染では重症化せずに軽快していきます。ワクチン接種の普及や多くの国民が既感染になっている影響、重症化リスクある人に抗ウィルス薬などの治療が適切に行えていることも一因かと思います。つまりコロナ治療においてのシステムがある一定の水準で成り立ったともいえると思います。

国の中でも議論がされ始めていますが、コロナが現在の 2類感染から5類感染への分類の引き下げをしっかりと考える段階にきているように個人的に思います。コロナに対する診療は2類感染症である以上、全額公費負担となり、国の負担となります。ただでさえ、社会保障費が年々上昇し、2022年度に36兆円を超え、過去最高を更新している状況を考慮すれば、これ以上公費で賄うことについても議論の余地があるように思います。

日本の医療は過渡期に来ており、超少子高齢化社会に突入して、どのような医療体制が今求められているかをもう一度考える時がきているように思います。

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