2022-2-28

あんしん先生blog20「画像診断」

医療の世界には多くの科がありますが、画像診断科をご存知でしょうか?
基本的にはレントゲン検査、CT検査、MRI検査など病院やクリニックで撮影された画像を読んで診断する科です。患者さんとは直接関わることはないのでほとんど接することはないかと思います。が、とても大事な科です。

最近のTVドラマでは「ラジエーションハウス」で画像診断科や放射線科を取り扱っていました。例えば、内科の先生が画像検査を行なって診断をつける際に見落としていた病気を画像診断科が指摘し、診断が変わるというようなことは少なくありません。

画像診断では撮影された画像を診ることで体内の変化を捉え、腫瘍などの進行した病変を早期に発見することができます。よく一般的に行われる画像検査としてレントゲンとCT、MRI検査があります。

皆さんも一度はレントゲン検査を受けたことはあるかと思います。X線を利用して撮影し、胸部のレントゲンでは心臓の大きさや肺の炎症などをすぐに診ることができます。特にこのコロナ禍では入院時や手術を行う際には必須の検査項目になっていることが多いと思います。被曝リスクはありますが、胸部エックス線撮影の被曝量は1回の日米間往復フライトによる被曝量よりも少ないです。

CT検査も方法としてはX線によるものでより画質が良く診断能に優れているため、全身を細かく調べるのに適していますが、被曝のリスクがレントゲン検査よりも高くなります。実際に医療被曝の一番多いものがCT検査になります。したがって、成長や胎児への影響を考慮して、子供や妊婦には積極的には行いません。

一方、MRI検査は方法としては磁気を利用したものであるため被曝リスクがなく、CT検査が苦手なものをより細かく調べることができます。例えば、早期の脳梗塞を診るのに適しています。被曝することがないため、基本的には誰でも行えます。が、MRI非対応の心臓ペースメーカーや金属を体内に留置している人は行えません。また、検査はMRI機器の中に全身すっぽり入り行うことが多く、機械音自体も大きいので圧迫感を感じやすく閉所恐怖症の人にとっては検査自体が難しいとされています。

これらの画像検査によってがんの早期発見や早期診断などが著しく向上したことは間違いありません。今後は在宅・介護の場においても持ち運び可能なポータブルのレントゲン検査や超音波機器が普及し、病院外でも画像診断が重要になってくると思います。

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