2021-4-22

あんしん先生blog11「睡眠時無呼吸症候群:SAS」

皆さん、夜寝ている際に、苦しくて目が醒めることはありますか?
また、家族にいびきがうるさいと言われたことはありますか?
そして、日中に眠気やだるさを感じることはありますか?

もし全て当てはまったら、睡眠時無呼吸症候群(=SAS)の可能性があります。
以下、睡眠時無呼吸症候群をSASと省略します。
一般人口の2〜4%にSASがいると言われていますが診断されないでいることが
多いのが現実です。SASがあると、高血圧、脳卒中、狭心症、心筋梗塞などの
循環器疾患を発症する危険が高まります。

具体的な例をあげるとすれば、

  1. 大きないびき
  2. 昼間の眠気
  3. 睡眠中に呼吸停止の指摘
  4. 高血圧
  5. 首の周囲径≧40cm
  6. BMI(体重kg÷(身長m×身長m))≧35
  7. 男性

この7つのうちで3つ以上当てはまるとSASの高リスクになります。

SASの診断にはポリソムノグラフィーという検査を行います。これは寝ている
際に行う検査で基本的に1泊入院して行います。(睡眠時の(無呼吸数+低呼吸数))÷睡眠時間=AHIという値を計算します。これは睡眠1時間あたりに何回無呼吸や低呼吸状態に陥るかの指標となります。
*無呼吸:10秒以上呼吸が停止した状態 低呼吸:息を吸う深さが浅くなり、
吸気振幅が50%以上減少する呼吸等が10秒以上続く状態

AHI≧5でSAS陽性→確定診断となり、そのAHIの値によって重症分類されます。
5 〈 AHI 〈 15:軽症
15 〈 AHI 〈 30:中等
30 〈 AHI:重症

治療としては基本的には生活習慣を治す必要があります。例えば、禁煙、禁酒、
肥満改善です。具体的には、比較的軽症例では寝ている際にマウスピース装着、
重症例だとCPAP(持続的気道陽圧法)という機器を導入する必要があります。

介護においても睡眠時の状態を確認することは、SASの有無の判断材料になる上、早期発見/早期介入により、その他の疾患発症リスクを下げることにもつながります。睡眠時も医学的には重要な指標になりますので確認していくことはとても大事だと思います。

 

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