社内研修「介護職員が知っておきたい医療知識(1)」

日時:平成24年6月20日(水) 18:30〜 会場:当社研修室 講師:医師 医学博士 長谷川先生

介護職員が知っておきたい医療知識(1)

テーマ:「国民衛生の動向」にみる日本の現在・過去・未来

日本がもしも、全員で100人の島国だったら、独居老人は何人いるのでしょうか?また、医療スタッフである看護師や医師は、何人いるのでしょうか? こういった数字は、「国民衛生の動向」という本を読むと詳しく書いてあります。この本は、政府の厚生労働省から発行されていて、昭和の終戦前後から現在まで、毎年、その年のデータが詳しく発表されています。これらのデータをご紹介しながら、今、日々、行っている介護・看護・医療に役立つ情報を提供したいと思います。

昭和20年の終戦前後、日本人の平均寿命は男女とも50歳くらいでした。つまり、60歳の還暦を迎えることができる人は少なかったので、赤い「ちゃんちゃんこ」や「ずきん」を贈って、みなでお祝いしていたのです。

ところが現在の50歳は、寿命どころか、働き盛りの元気モリモリで、60歳の還暦をむかえても、まだまだ働ける人がほとんどです。現在の平均寿命は、男性がおおむね80歳、女性がおおむね86歳で、世界トップレベルの長寿国です。これは、生活環境が衛生的で、かつ、医療・介護の水準も、とても高いレベルにあるからなのです。

では、今の日本人は、どんな原因で健康を損ねてしまうのでしょうか。この疑問を解くヒントが「国民衛生の動向」に書かれています。データによると死因の上位は、「がん」・「心臓の病気」・「脳血管の病気」・「肺炎」等です。特に、この肺炎は、高齢者人口が増えるにしたがって、近年増加傾向にあります。

肺炎にかかってしまう人の多くが高齢者です。つまり、高齢者が肺炎にならないように気をつけることが、健康を維持する上で大切なのです。介護・医療現場でできる具体的なこととしては、

  • 口の中を、清潔に保つ
  • 誤嚥しないよう、食事介助する
  • 寝たきりにせず、可能なら上半身を起こして深呼吸する

これからの日本は、今以上に高齢化と少子化が進みます。今の時点で、日本人100人中、23人が65歳以上で、独居老人は4人、そこに看護師は1人、医師は0.2人です。将来的には、65歳以上のひとが、日本人100人中、40人を超えると予想されています。国レベルでの政策も大切ですが、目の前の患者さんや介護を受けているかたがたに、今、できる予防策を実行することが、健康で明るい未来につながります。

高齢者だけでなく、すべての人が、毎日を健康に暮らすために必要なヒントは、「国民衛生の動向」のようなデータだけでなく、介護・医療の現場から見いだすことができます。次回以降の研修会も、各種データや医学的なトピックスを、具体例をあげてご説明しますので、明るい介護・看護・医療をどのように創ってゆくのか、みなさんとご一緒に考えてゆきたいと思います。

 

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