社内研修「医療知識向上セミナー」

blogimage_20150316社内研修:「医療知識向上セミナー」
日  時:H27.2.19(木) 18:30〜
講  師:医師 医学博士 長谷川先生

医療知識向上セミナー
本日のテーマ: 高齢者の転倒

今回のセミナーは「転倒」についてです。
最近の一年間に、転倒して「ケガをしたひとの正確な人数」はわかりませんが、「国民衛生の動向」という本には、「転倒・転落して、死亡してしまった人数」が掲載されています。これによると、平成24年には日本では7700人余りのかたが転倒・転落によって亡くなってしまったことがわかります。交通事故、転倒・転落、溺水、窒息、火災、中毒による死亡を、公衆衛生学の分野では「不慮の事故」といって、年間での「不慮の事故」による死亡者数が4万人余りのうち、転倒・転落によって亡くなるかたが7700人というのは、交通事故死亡者数にも匹敵し、決して楽観できる数字ではありません。
これら、転倒・転落によって命を落とすかたのなかには、登山中に崖から転落したような事案もはいっていますが、近年増加しているのが、高齢者の転倒・転落です。
高齢者の多くは、骨粗鬆症があるため骨が折れやすく、かつ、転倒の際、「柔道の受け身」のような姿勢や、「手をつく」という、とっさの動きができない場合が多く、頭を直接、地面にぶつけてしまったり、階段で頭から落ちてしまったりして、ケガが重症化する傾向にあります。
ところで、成人の身長はおおよそ150〜170cmです。これを言い換えると、高さ1.5メートル程ですが、1.5メートルの高さからスイカを落下させたらどうなるでしょうか?スイカは、ほぼ確実に割れてしまうでしょう。人間の頭部も同じです。高さ1.5メートルから、受け身をとらずに、立ったままの姿勢からパッタリと倒れてしまったら、頭部へのダメージは相当なものです。その結果、頭部の頭蓋骨骨折や脳挫傷だけでなく、胸部の肋骨骨折、下肢では大腿骨頸部骨折といった、重篤なケガになってしまうのです。
このような大ケガをしないようにするにはどうしたら良いか、魔法の解決策はありませんが、できる対策としては、普段から、すり足で歩くのではなく、大腿(ふともも)の筋肉をしっかり使って鍛えておくことが、転倒防止に役立つのではと考えています。
また、高齢者の転倒のなかには、なにかにつまずくのではなく、めまいや動悸を感じて、その場に立っていられなくなって、立った状態からばったりと倒れて大ケガをするような事故も知られています。これについては、「めまいを感じたら、すぐその場でしゃがむ」、「めまいを感じたら、頑張って立っていようとせず、座り込む」といった対処ができれば、ケガを最小限にすることができるかも知れません。
もし、頭を打ってしまった場合には、その直後は大丈夫でも、数週間から、長い場合には数ヶ月後に「慢性硬膜下血腫」という脳と頭蓋骨のスキマに血液がたまってしまうご病気になることもありますので、注意が必要です。
以上、今日は転倒についてお話ししました。来年度も、様々な機会を通じて、いろいろなご病気やおけがについて、わかりやすくお話ししてゆきたいと思っております。

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