医療知識向上セミナー「アルコールと健康障害」

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社内研修:「医療知識向上セミナー」

日  時:H27.1.15(木) 18:30〜

講  師:医師 医学博士 長谷川先生

医療知識向上セミナー

本日のテーマ: アルコールと健康障害

今回のセミナーは、お酒、つまりアルコールと、それにまつわる健康障害についてです。

お酒と人類の歴史をみてみると、人類、つまりホモサピエンスの歴史が20万年、一方で、ワインやビールといった「お酒」を人類がつくって飲むようになったのは5000〜6000年前からですので、人類の歴史の中では、比較的最近になって、お酒を飲むようになったと言えるかも知れません。一般にお酒に強い人が多いのは欧米で、日本人にはお酒を「たくさん飲める人」、「そこそこ飲める人」、「まったく飲めない人」がいると言われています。このような、人によって「飲める」「飲めない」があるのは、どういう理由なのでしょうか。

その理由は、アルコールを体内で代謝する酵素活性の違いにあります。アルコールを代謝・分解する過程で、アセトアルデヒドという物質が体内にできてしまいますが、これを分解するのがアセトアルデヒド脱水素酵素という名前の酵素です。この酵素の働き具合が、とても良い人は「①お酒を飲める人(飲んでも顔がほとんど赤くならない人)」、酵素の働き具合が中程度の人は「②お酒を飲むと顔が赤くなるけれど、そこそこは飲める人」、酵素の働きがとても弱い人は「③お酒を飲むと、すぐに真っ赤になって、ほとんどお酒を飲めない人」なのです。③のような人は、お酒を飲むと体調が悪くなることを自分でご存じですので、基本的にお酒を飲みませんから、アルコールによる健康障害が起こるとしたら、「飲めないのに、飲まされて、急性アルコール中毒になる」、「自分が飲めない体質と知らず、成人して人生最初の飲み会で、飲み過ぎて急性アルコール中毒になってしまった」というような状況はあります。②のような人は、顔を赤くしながら飲酒しますが、皮膚が赤くなるのはアセトアルデヒドという二日酔の原因にもなる物質のせいです。②のような体質のかたが、毎日飲酒すると、毎日、アセトアルデヒドが身体に悪影響を及ぼします。アセトアルデヒドは発がん性物質でもあるので、長期の常習的な飲酒は発がんのリスクを上昇させます。①のような体質のかたは酒豪ともいわれ、アルコールによる「酩酊」はしても、アセトアルデヒドがほとんど産生されませんので、大量飲酒・アルコール依存症・アルコール性肝機能障害(肝硬変)になるリスクが高いと言われています。過度の飲酒は、健康を害する危険性が高いので、①と②のタイプのかたは、適度な飲酒を心がけましょう。

ところで、飲酒すると、なぜ、トイレに行きたくなるのでしょうか? これは、抗利尿ホルモンというホルモンと関連があります。普段、人間の体は水分を体内に保つために、抗利尿ホルモンが脳下垂体から分泌されているのですが、飲酒によってこのホルモンの分泌が低下して、尿量が増えることが知られています。

以上、今日はアルコールと健康障害についてお話ししました。これからも、様々な機会を通じて、いろいろなご病気について、わかりやすくお話ししてゆきたいと思っております。今日もお疲れ様でした。

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