【社内研修】医療スキル向上研修

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医療スキル向上研修

日時 2013年10月28日(月) 18:30~

講師 医師 医学博士 長谷川先生

テーマ お風呂のはなし

今回のテーマは「お風呂」です。これからの寒い季節、お風呂にはいってあたたまることは、とても気持ちが良いと思います。しかし、寒い季節、高齢者にとってのお風呂は、危険が潜んでいるので注意が必要です。

日本のお風呂は、シャワー浴ではなく、浴槽に40~42℃くらいのお湯をためて、全身、肩までお湯につかるのが一般的です。この「肩までつかる」という行為は、首と頭部以外のほぼ全身が静水圧という水の圧力によって圧迫されることを意味します。これによって、全身の血管も圧迫されますので、心臓への負荷が増えます。ここに、温度による身体の反応が加わります。つまり、寒い脱衣場や浴室から、熱い浴槽内へと、急激な温度変化に全身がさらされます。

これらの温度変化、お湯による全身の圧迫が、心臓に負荷をかけていることは想像に難くありません。そして、実際に、多くの高齢者が自宅の浴槽内で意識を失って発見されているのです。発見時、身体が浴槽内にあっても、鼻や口が水面より上にある場合もありますし、顔を水面につけて前屈みの座位で発見される場合もあります。さらに、完全に浴槽内の水面下に水没して発見される場合もあります。いずれも、ご家族等が発見した後、救急搬送しても、救命できる可能性は、残念ながらほとんどないのが現状です。

このような、寒い季節に、高齢者が浴槽内で発見され、119番通報を経て病院搬送される、という症例は、毎年、日本中で多く発生していますが、その明確な原因は、諸説ありますが、残念ながらあまりはっきりしていません。

安全な入浴のためには、入浴前に脱衣場と浴室をあたためて、温度差を小さくしておくこと、お湯の温度は「ぬるめ」にしておくことが推奨されます。また、浴槽内のお湯の水位は「肩までつかれる深さ」ではなく「腰までの半身浴」にすることで、万が一、意識を消失しても水没する危険性を低減してくれますし、静水圧を低くすることが可能です。

高齢者や、循環器系にご病気のあるかたへのおすすめ入浴方法は、シャワー浴や半身浴です。

夏期は、熱中症予防に飲水と適度な冷房使用を、高齢者に推奨していますが、冬期は風邪予防だけでなく、安全な入浴ができるよう、十分に配慮することが大切だと思います。

 

今日も一日、お疲れ様でした。

 

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